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催眠暗示の原理と作り方
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催眠に入れてどうするのか?暗示を与えるのだ あなたにも暗示文(スクリプト)の作り方を教えましょう。 |
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| 手段=モジュールへの働きかけ=暗示
目的=問題の解決・解消(時に発生・創出) |
(例題)……「相手を微笑ませる」暗示(3)まず目標は、相手を「微笑ませる」ことである。
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こんな風にして、暗示でやるべきことのリストができる。
(1)中間目標以外のモジュールのスイッチを切る
↓
(2)中間目標モジュールに働きがける
↓
(3)標的モジュールに働きがけ、目標を達成する
(例題)……「相手を微笑ませる」暗示(1)リラクゼーション、イエスセットなどをつかって、中間目標以外のモジュール(恐怖、怒り、不安などのモジュール/表情筋以外の筋肉モジュール/抵抗モジュール)のスイッチを切る(2)(a)他の筋肉モジュール(b)感情モジュール(c)記憶モジュールを通じて、表情筋モジュールに働きがける (3)表情筋のモジュール(標的モジュール)に働きがけ、微笑ませる。 ここでは、「微笑み始めた」という相手の状況を言葉にして伝え(つまりフィードバックして)、反応を強化すること。これによってさらに抵抗モジュールのレベルが低下して、いわゆる被暗示性が高まる(次の、より高次のモジュールへの働きがけへつながる)。 |
ここまでで、「何を」「どんな順番で」並べればよいかが明らかになった。つぎに、具体的にどんなことばを使うかを考えよう。
最初のうちは、暗示文(スクリプト)は、実際に紙に書いてみることをお勧めする。あとで細かいところをチェックすることができるからだ。同じ内容を伝えているつもりでも、ちょっとした言い回しで、ずいぶんとちがった結果が出ることがある。できれば、用いる前に暗示文(スクリプト)を書き留めておけば、その後の反応と照らし合わせることもできる。こうした努力は、上達を早めるだろう。
暗示の言い回し(文体)については「肯定文で」「現在形で」とか「具体的に」「くりかえせ」とか、いろんな本に書いてる。
各モジュールは、働きがけが始まってから、反応するまで、結構な時間がかかる。そしてこの時間は、個人差がある。
繰り返しや言い換えは、まず必要な反応時間をかせぐために必要である。したがって「何回繰り返すか?」は、相手によって、そして反応に応じて、ということになる(古典催眠では、3〜4回繰り返せ、なんてことをいう)。
もちろん繰り返されたメッセージはより強く入っていくということもある。しかし、暗示の目的は「メッセージ」の刷り込みではない。必要な変化を引き起こすことだ。同じ言葉の繰り返しが「スイッチを切る」ことにも使われたことを思い起こそう。不要なメッセージの強化は、結局ははじき出される恐れがある。
同じメッセージを伝える複数(2、3個でもかまわない)の言い回しを用意しておくとよい。相手の反応を見て、いくつかの言い回しを循環させていく。
しかし、我々は同じモジュールへの違ったアプローチがあることを知っている。ある程度、続けたら、別の働きかけに移行する。
事物を豊かに形容すること。しかし形容詞は用いるのに注意が必要だ。「赤い」などはまだましだが、「大きい」や「すばらしい」は使用者の判断が強く含まれる。この判断に相手が同意しない可能性もある。
この危険を避けるには、相手の言葉やイメージを活用すること、そのためには相手から質問や事前面接を通じて、より多くの情報を引き出しておくことである。
催眠 は、術者の「働きかけ」だけでは成立しない(その意味では「催眠者」という言い方、あるいはOperator(施術者)との言い方には、誤解を招く可能性がある)。催眠 は、術者と被術者の協働作業である。
暗示も一方的な働きかけでは完結しない(催眠 テープやCDの利き目がいまいちな理由である)。相手の反応を引き出すこと、少なくとも相手の反応を待つこと、相手の反応に応じて、スピードや口調を、あるいは暗示のことば自体を変えていくこと、相手の体験やボキャブラリーを暗示に組み入れていくことなどが、大切になる。
なにより暗示の文言ばかりに注意を払って、目の前の相手を見ていないようなのは失格である。「クライエントは、天井にではなく、前にいますよ」。
手だれの催眠術師は、おそらくどんなに才能豊かな新人であってもかなわない。被術者からの信頼が違うし、術者自身の自信も段違いだから、だ。「この人なら治る」「この暗示なら効く」という被術者側の期待こそ、最大の暗示である。
ここから引き出せるのは、自信を持って暗示を行うこと、である。しかし権威催眠の時代ならいざ知らず、今は現代催眠の時代である。「〜できるかもしれません」「たぶん〜なっていくでしょう」と言い切らない(相手から抵抗を受けにくい)表現が使われやすい。しかし、こうした表現をむやみに使うと、単なる「自信のない催眠家」と受け取られてしまう(エリクソンや現代催眠をかじった初心者が犯しやすい)。
自信をもつ(Confident)ことと権威づける(Authoriative)ことは違う。
意志の力や意識的な努力は、目標実現に役に立たない(!)、それどころかしばしば目標の実現を邪魔してしまう(!!)、というのがこの原則(法則)の主旨である。インポテンツやオルガスム、それに不眠などがよくその例としてあげられる。だからこそ、暗示の出る幕がある、とも言える。
この原則は、暗示をつくるとき、「意志」や「意識」に働きかけるよりも、「想像力」に働きかけた方がいいことを教えてくれる。たとえば、「手がかじかんできます」というよりも、「手を雪(か氷水)の中に入っていることを思い浮かべてください」の方がよい、ということ。
催眠の古典時代には、暗示のことばは3〜4回そのまま繰り返されるのが普通だった。
やがて同義語や同義フレーズ(言い換え)で繰り返しを行うように工夫されるようになった。繰り返すにしろ、まったく同じ言葉ではなしに、ちがった言葉や違った言い回しを使う、ということである。
さて、エリクソン以後、 現代催眠の時代に入ると、繰り返しそのものがあまり行われなくなったかのように見える。じつは、これは前段階の「違った言い回し」での繰り返しの発展形である。違ったやり方でのくりかえし、つまり、たとえばメタファーやお話で間接的に伝えたものを(種まきしたものを)、さらに直接的な暗示のことばで伝える、といったことが行われる。
催眠者も、そして被催眠者も、しばしば急ぎ過ぎる。今すぐトランスに入れ/入りたい、今すぐ暗示が効いてほしい/今すぐ効かないならダメだといった性急さは、どちらのものであっても益なし。高い山を、数歩で登り切ろうとする無茶にも等しい(しかし被催眠者クライアント、初心者の催眠者は、しばしば、その無茶をしようとする)。
大切なのは時間をかけることだ。暗示への反応がすぐに得られないならば十分に待つこと。変化がゆっくりすぎるというなら、ステップをさらに細分化して試みること。
催眠者のペースでなく、被催眠者のペースで事を進めること。そのためには素人催眠術士やステージ催眠家を彷佛させる「権威暗示」は避けた方がいい。「あなたはすぐに〜なるだろう」「5分以内に〜なるでしょう」「あなたが目覚めるまでに、痛みは消えているでしょう」などなど。暗示に対する反応は、被催眠者それぞれであって、早い人も入れば、遅い人もいるだろう。エリクソニアン風の「許容的な言い方」なら、こんな風に言い換える。「あなたはすぐに〜になるかもしれませんし、もっとゆっくりそうなるかもしれないし、もっとはやくなるかもしれません」などなど。
暗示と強い感情を同時に体験すると暗示の効果が高まる。また、それ以前に暗示があったとしても、感情と結びついた暗示は古い暗示を帳消しにする。
たとえば、新しい技術を学習しているときは、目的達成への熱意が強いので、集中の法則よりもそちらが優先する。ここにバスケット・ボールをはじめたばかりの少年がいるとしよう。彼はシュートの練習をしているが、 ボールがはいる回数よりもはずれる回数のほうが多い。同じことのくりかえしが定着するのなら、この少年はボールをはずす達人になるはずだ。しかし彼は練習を重ね、やがて成功する回数のほうが多くなる。それはなぜだろう。 「ボールを入れたい」という意気ごみや熱意は強い感情である。強い感情と結びついた目的は優勢となつて、潜在意識はこちらの命令を遂行しょうと努める。そして肉体はうまくシュートした体験をコピーして、失敗のほうを忘れる。
いやがるロバを無理やり引っ張って小屋に入れることはできない。けれど、鼻先にニンジンをぶらさげれば、彼は自然と前へ前へと進んで行くだろう。
この原則は、被術者の動機と、暗示が目指すゴールとを、結びつけるべきだと教えてくれる。
| 先行条件→ |
問題事象(行動・思考)→ |
事後結果 |
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| 喫煙の場合 |
イライラ 眠気など |
喫煙 |
イライラおさまる 眠気おさまる (息切れ、健康悪化) |
| ターゲットとなるモジュール |
感情モジュール 覚醒モジュールなど |
味覚モジュール 呼吸モジュール など |
感情モジュール 覚醒モジュール 呼吸モジュール など |
| 関連モジュール (と「働きがけ」) |
・イライラを減らすためには、感情モジュールへ働きかけるために (a)イメージモジュール(楽しげなイメージ、ストレスにうまく対処しているイメージなど) (b)問題解決モジュール(実際にうまく対処できるとの暗示など) (c)筋肉モジュールへのリラックス(ストレスの結果、筋肉が緊張し、よけいイライラするので、そのループを切る) など |
・タバコを吸いたくなくするために (a)味覚モジュールに働きがけてタバコの味をまずく変える (b)習慣モジュールに働きかけて、喫煙から別の好ましい習慣へ転移させる (c)ニコチンが果たしていたリラクゼーション効果を大体できるイメージや自己催眠方法を教授する など |
(a)喫煙で健康が害するイメージ (b)禁煙で健康が回復し、さまざまなよい面がでてくる具体的イメージの体験(こっちの方がよい) など |
ハートランドの自我強化暗示(1)あなたはとてもリラックスし眠いので (2)私が述べることはすべて (3)とても深く無意識の中に沈んでゆき (4)深〜く長〜く続く印象をあなたに与えるでしょう (5)すると、私が無意識に語りかけることは (6)あなたの考え方や行動のしかたに大きな影響を与え始めるでしょう (7)私の言葉は、あなたの無意識にしっかりと組み込まれるので (8)この部屋 から出た後 (9)私がいなくても (10)家庭や職場で (11)力強くかつ確実に (12)あなたの思考、感情、行動に (13)大きな影響を及ぼし続けるでしょう。 (14)あなたはとても深く眠っているので (15)私があなたに「こうなってゆきます」と言ったことはすべて (16)私の言う通りに実現するでしょう (17)そして、「こう感じます」といった感情もすべて (18)その通りに体験できるでしょう (19)この深い眠りの間に (20)身体は強く、良好になってゆくでしょう (21)あなたは、もっと、もっと鋭く、敏感になり (22)物事によく気づきエネルギッシュになるでしょう (23)疲れてしまったり、ぐったりすることはなくなり (24)また、落ち込んだり、くよくよすることもなくなるでしょう (25)毎日毎日あなたは自分のことや、身の回りで起こっていることにとても興味、関心を持ちはじめるので (26)自分の性格や容姿について思いわずらうことから完全に自由になるでしょう (27)自分のことで、くよくよ考えたり、悩んだりすることが、ますます少なくなり (28)困難に出会ってもすいすいと乗り越えてゆくことができるでしょう (29)日に日に、あなたは強くなってゆき (30)心は安らかで、穏やかで、落ち着いてゆくでしょう (31)動揺したり、恐れたり、不安になったりすることもなくなり (32)うろたえることもないでしょう (33)あなたは、よりいっそう明晰になり、集中力もついてきて (34)やっていることに没頭することができるようになり (35)他のことに気を散らされなくなるでしょう (36)その結果、あなたの記憶力は飛躍的に高まり (37)物事をありのままに見ることができるので (38)本質をしっかりとつかむことができるでしょう (39)日に日に、あたなの気持ちは乱れることがなくなり (40)かつ落ち着いた状態で、平静な状態になってゆくでしょう (41)そして (42)肉体的にも、精神的にもリラックスし (43)緊張が全く消えてなくなってしまうでしょう (44)すると (45)自信があふれてきて、自分の能力を信頼でき、失敗を恐れることなく (46)不必要な不安を感じることもなく (47)物事にうまく対処できるでしょう (48)そして (49)日ごと、あなたは、ますます自律した人間になってゆき (50)やりたいことがいかに困難であっても (51)自力で (52)やり遂げることができるでしょう (53)そして (54)日ごとに、あなたは、今までよりずっと幸せで、安心感に満たされた気分を感じることができるでしょう (55)これら全てのことが、私が述べた通りに (56)すぐに、確実に、完全に実現するので (57)あなたは、なおいっそう幸福になり、充実して、ますます世界がばら色になるでしょう。 |
暗示の構成
(スタートとなる事実=前提)(多くの場合)「あなたはリラックスしている」 ↓↓ 前提+暗示の積み重ね × 繰り返し ↓↓ (ゴール=暗示の目標)(複数のルートで攻め上る)ちらばって、絡み合いながら |
| 既存の要素を分割する(スプリッティング) |
既存の要素に新しい要素を結びつける(リンキング) |
| ・問題事象を「よき意図」と「悪しき結果」に分ける→その意図を生かす別の行動・思考へと移行させる |
・悪い事象(先行条件)に、よい事象を結合する→イライラをリラックスの引き金として暗示 ・良い事象(事後結果)に、悪い事象を結合する。→喫煙のリラックスに、イライラ感を結びつける(あまりすすめられない=まずいタバコ暗示と同じ) |
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